1.迷走神経(ワゴトニー)反射の症状
血管迷走神経性反射(ワゴトニー反射)の症状は、吐き気や腹部の不快感(胃の痙攣や胃の不快感)、悪寒や冷や汗、顔面蒼白や除脈などの症状が出ます。
失神全体の約20%はこの迷走神経反射によるものだと言われています。
これらの症状は失神の前兆の段階で、30秒から数分後に失神が起こります。
私自身(ブログ管理人)がこの症状(迷走神経性失神)を1年の間に2回も経験した事があるので誰よりも良く分かっているつもりです。
私の場合、食後に腹部の不快感から始まり、胃の痙攣→吐き気→腹部のしびれ→除脈(不整脈の一種)→息苦しさ→耳鳴り→視界不良(テレビ画面の砂嵐のような感じ)で意識を失いました。
意識を失う寸前は周りの音は聞こえなくなり、自分の心臓の鼓動しか聞こえませんでした。あの時の恐怖と言ったら言葉に出来ないものです。
意識は2~30秒から数分程で戻ると色々な資料に書かれています。
私の場合、30秒から1分もかからずに意識が戻りました。
意識が戻った時は、冷や汗が出ていて、悪寒もあります。
私を介抱してくださった方にすぐ状況を聞くと、「顔が真っ青で、若干震えていた。」と教えてくれました。
病院に行き、脳MRIやエコー検査、血液検査、ホルター心電図検査(24時間)を行いましたが異常なし、医師から健康そのものだと診断されました。
1-1.原因
迷走神経性反射は、精神的ショックや強い痛み、極度のストレスが原因になり自立神経がバランスを崩すことによって引き起こされます。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、その2つの神経のバランスが崩れることにより、血圧や心拍数を上げたり下げたりという事が正常に出来なくなり、血液が下半身に集まり、脳への血流が不足して意識を失うのです。
1-2.シチュエーション
よくみられるシチュエーション。
- トイレや風呂場
- 長時間の座位や立位
- 強い精神的ショックやストレスを感じた時
- 強い恐怖や不安を感じた時
- 注射や採血時
- 満員電車の中
- 温暖下での激しい運動時
などのシチュエーションがみられるようです。
この中の「トイレ、風呂場」では、他のシチュエーションと違って失神が起きる時に一人でいる状況になります。特に風呂場で失神を起こすのはとても危険なので気を付けなければなりません。
1-3.対処
- 迷走神経反射への対処としては、失神は立位(立った状態)で起こるので、前兆が出てきたら無理せず座る事、そして臥位(横になる状態)になっていれば気を失うことは殆どないので速やかに横になる。
- 横になるときは自分の嘔吐物で気道が塞がらないように注意する事。
- 横になって、手や足に力を入れたり、力を緩めたりを繰り返す事も人によっては効果があると思います。これは、筋肉のポンプ作用で下半身に集まった血液を上半身に集めるという狙いがあります。
意識を失うことで頭を強く打つという事が多いので、横になる事が一番良い体勢である。
殆どは5分以内に意識は戻ります。
1-4.予防策
確実な予防策は見つけられませんでしたが、私が医師から教えられた策があります。
- 毎日、壁にもたれて5分~最大で30分程立つ
- 毎日2リットルの水分と適度な塩分を取る
このような事を教えられました。
水分と塩分の摂取は日ごろ気を付ければ容易に出来るのではないでしょうか?
壁にもたれるという予防策は、神経を刺激する訓練のようで、この訓練によって稀に気を失う人もいるようです。
やり方は、後頭部から背中、お尻までを壁に付けて、足は体より前に少し出た位置に出します。
最初は5分程度から始めてだんだん長くしていくという方法です。
1-5.ビタミンの重要性
この症状を機に、ビタミンBについても調べる機会があったので載せておく。
- ビタミンB1:手足の抹消神経を正常に保つ。精神を安定させる。不足すると吐き気集中力低下などを招く。
- ナイアシン:脳神経のはたらきを助ける。血行を良くする。
- パントテン酸:不足するとストレスに弱く、疲れやすくなる。手足のしびれ。
- ビタミンB6:刺激の抑制にはたらく神経伝達物質の合成にもかかわる。不足すると足がつったり、手足のしびれ末梢神経炎をおこす。
- ビタミンB12:不足するとしんけい過敏になり集中力が低下する。だるさ、消化不良、食欲不振、貧血、手足のしびれ、運動失調。
- 葉酸:不足すると神経過敏、うつ状態、貧血、動悸、息切れ。
- イノシトール:脳神経に栄養を供給、神経を正常に保つうえで不可欠なはたらき。
ビタミンB群のはたらきは他にもたくさんあるが、ここでは、私に起きた症状に近いものを拾い出した。これだけでもビタミンの重要性が良くわかる。
まとめ
自己診断はせずに素早く検査を受ける事をお勧めします。
改善方法としては、私の経験からすると「ストレスの無い生活」を送ることが一番の改善策と言えます。
私の場合は、医師から「仕事のストレスが原因である」と言われました。当時の仕事は、休みが月に3回程しかなく、昼飯も抜くという事がしばしばありました。体重も激減、強い脱力感もあり、本当に精神的にまいっていました。
また、一度症状が出たシチュエーションは避けるように生活することです。
現在私は、初めて失神を起こしてから2年以上が経ちました。あの時の事がトラウマになっていて少しでも胃に不快感を覚えると怖いです。気持ちが敏感になってしまいました。当時は、食事の後は胃が痙攣するという事が続きました。
ですが、今はもう症状は出てきません。仕事も変え「ストレスの無い生活」を送っています。
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